3-4② 「習い事」から考える教育

  • 2025/11/12
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習い事別の育みやすい傾向

座学系

各課題には”概ねの正解”が存在し、目標達成型として取り組みやすいです。

時間的プレッシャーがかかる中での集中力の醸成が見込める「そろばん」や、異文化への心理的ハードルを払拭するためにも「英語」をはじめとする言語学習、デジタルネイティブと呼ばれる時代への適応や論理的思考力を育む機会として期待される「プログラミング」などが挙げられます。

 

芸術系

上記と比して”正解があいまい”な向きがあります。またSTEAM教育では、文理を繋げる役割やAIには乏しいチカラ、また論理的思考とは別のチカラとして注目されています。

「絵画」教室において、“型”の有無は教室毎に異なります。美術系大学を目指す場合には、スクールに通うことが多いです。また「書道」教室は、従来では町中にある教室として根強い人気があり、静寂に身を置く経験や(正座の是非はともかく)しつけのニュアンスもありました。今日ではITが普及した兼ね合いから一昔前と比べると重要度がやや下がる傾向がありつつも、ふとしたメモに達筆な文字があると信用度が増します。

 

音楽系

世界中かつ、生涯に渡って楽しむことのできる習い事です。また熟達度によっては世界の偉人たちや歴史と接点を持とうとすることを必要とするため、他の習い事と比して特異的といえます。

教室の時間内だけで完結することはほとんどなく、宿題や自宅学習といった形で補うこととなり、低学年ほど親の参画が必要です。また、同じ譜面を何度も反復することから、本人の性格との適・不適や、感情を整理するチカラの有無が問われます。

代表的なのは「ピアノ」や「バイオリン」で、いずれも左右指で異なる動きをすることや、緩急・強弱が変わる点では脳機能の向上も見込まれますが、初期費用が高いことが懸念点です。

 

運動系

発育発達の段階ごとに、心肺機能、筋力、認知機能の向上といった主となる狙いが変わってきますが、適度な運動は健康寿命の増進からも好ましいです。

以下では「チーム球技(競技)」、「個人球技」、「個人競技」に分けながら、各競技の特徴について整理します。

 

チーム球技(競技)

【野球】

いかに「ホームベースを相手よりも多く踏むか」ゲームです。球技で唯一、守備側(投手)がボールを持つことからゲームが始まります。勝つためには、1試合でエラーはチーム総数として3回以下が通例のため、守備優位(守れて当たり前)の競技といえます。また世界で最もルールブックが分厚い競技であることでも有名です。

攻撃時は打席が回ってくるのを”待ち”ます。守備時には打球が飛んでくることを”待ち”ます。こういったゲーム特性からチームマネジメントとして「役割分担」の考えがマッチします。

 

【サッカー】

いかに「ゴールを相手よりも多く入れるか」ゲームです。80分間で0-0のロースコアがみられるほど、守備優位(点の入りづらい)競技です。選手一人当たりの出場時間に対してオフ・ザ・ボール(自身でボールを持たない)シーンが9割を占めるともいわれることから「事前の位置取り」や「(声などによる)意思表示」の考えが大切といえます。またポジションの境界線はあいまいで、シフトも流動的であることから、(役割分担よりも)「アドリブ力(りょく)」や「コミュニケーション能力」を必要とします。

 

【バスケットボール】

いかに「ゴールを相手よりも多く入れるか」ゲームです。限られた時間の中、比較的狭いコートの中で、2~3点を積み重ねた結果、3桁に至るゲームもあることから攻撃主体のゲームといえます。また上記の種目と比するとコンタクト(接触)が頻発することも特徴です。得点機会を逃しづらいゲーム性から「自己有能感」や「積極性」を育みやすいです。

 

【ラグビー】

いかに「複数の得点パターンから相手よりも多く入れるか」ゲームです。後ろへのパス、楕円型のボールのキックなど、基本的には得点しづらいように設計されたゲームです。しかし実際の試合を見ると、相手陣地内で相手からボールを奪取し、得点に繋げるなどして、2桁台の得点での試合が多く「(攻守の」ラリー」の応酬といった様相を呈します。また、バラエティ豊かなポジションが存在することから多様性が認められ、ゲーム終了後の「ノーサイド」は他競技でも見習いたい文化です。

 

個人競技

【武道】

“道”を究めることを主眼として、柔道や剣道、合気道などが当てはまります。各競技、国内だけでも流派によって違いがありますが、概ね”型”の習得を通じて技術を磨くだけでなく”残心”に代表されるような精神的な修練も目指します。しばしば国際ルールへの適応を見込んだ変化は見られます。

競技を通して、非認知能力の向上を期待する声は根強いです。

 

【体操】

”自身のカラダをうまく扱える”ようにと取り組むことが多いです。「マット運動」では、あらゆる方向への回転運動、習熟度に応じて捻転運動を経験できます。「鉄棒」では自重を支えきるチカラが求められます。「跳び箱」では、走る、跳ぶ、つくなど異なる運動をスムースに行えることが重要です。いずれの運動も両側性の動作(左右手足が同じような動き)が多いですが、あらゆる競技に転用できる要素を持っています。

また”自身と向き合う”性質を持つ運動でありながら、競技としては、「採点」という客観的な質的評価を受けるシステムというギャップを持っています。

 

【陸上】

“自身の出力の強さと方向を理解”できると上達が早いです。

走る・跳ぶ・投げるなどの要素が多分に入った”十種競技”で優勝すると「キング・オブ・アスリート」と呼ばれます。片側性の動作(左右手足がバラバラの動き)が多いことから運動としては難しいですが、運動の基本ともいえる直線的な動きが多い点では別競技へ転向しやすい競技といえます。別競技への転向を視野に入れるのであれば、かつて日本選手権優勝者でもあるタレント武井壮さんのように「幅跳びと高跳びでは踏切足を逆にする」といった考え方はオススメです。

体操同様”自身と見つめ合う”性質を持つ運動である一方、競技としては、「得点(記録)」という量的な絶対評価を受けるシステムから曖昧さがない一方、厳しさのある世界です。

 

【シーズン系】

“特異的環境への順応”を学べる貴重な競技です。

「水泳」は浮力の影響を受けるため、自重を支えずとも身体を動かすこと経験を得ることができるだけでなく、レベルの高い動作に必須といえる”脱力”技術も学ぶことができます。一方、体温が奪われ続ける環境であることや、体力・技術不足により溺れる危険性があることから、専門家から習うことをオススメします。

「スキー」に代表されるスノー競技は、”滑る”という自身のコントロールが及ばない(及ぶ範囲が狭い)動作を行うという他競技と比しても特異的な動作です。こちらも自然界の厳しい環境に身を置くため、専門家から習うことをオススメします。

 

個人球技

【ゴルフ】

いかに「少ない打数でホールを沈めるか」といったゲームです。ティーアップ(ショット)でも、パッドでも同じ「一打」と換算されることがこのゲームの奥深いところです。世界的にみても競技人口が極めて多く、一打の違いで順位が2桁変わることも珍しくありません。プレーする世代を問わないことから、生涯楽しむことが可能で、(たとえ個人参加でも)あらゆる世代と交流することが可能です。また他競技でいうユニフォーム(自チームであることを分かりやすくするための服装)とは異なる、”ドレスコード”が存在する点も特異的な姿です。

 

【テニス】

いかに「相手よりも先に規定得点に到達するか」といったゲームです。

ラリーが前提であることから、年齢を重ねた先でもコミュニケーションを交わしやすいスポーツとして好まれ、世界的に競技人口が多いです。また、ラリーが前提であるためミスが目立ちやすいだけなく、意表を突かれる”準備不足”が手痛い失点となります。ゲーム中に競技者の心理状況が読み取れる言動が頻繁にみられることも他競技を比して特徴的です。”デュース”と呼ばれる「(サーブ権の兼ね合いから)2得点を連続で挙げなければ終わらない」というルールは、(野球のイニング制限やサッカーの時間制限と比しても)”終わりのない攻防”として心理的に追い込まれる競技といえます。